「お客様、この冷蔵庫は階段を通りません」「IKEAのベッドは分解すると壊れるので運べません」
引越し当日の現場で、突如として突きつけられる「運搬拒否」。置いていくわけにもいかず、途方に暮れる前に…。業界歴23年のプロが、その場で判断すべき「捨てていくか」「特殊作業で運ぶか」の境界線と、緊急対応策を伝授します。
💡 プロの結論:無理なものは無理です
物理的・法的に運べないものを、作業員に強要してはいけません。
「専門業者に頼む」か「自分で運ぶ」か「諦める(捨てる)」か、即決する必要があります。
標準引越運送約款第4条により、引越し業者は以下の物品の運送を拒否できます。これらは作業員の意地悪ではなく、法律や安全管理上のルールです。
現金、通帳、印鑑、貴金属、有価証券。これらは必ず「手荷物」として自分で運んでください。ダンボールに入れて紛失しても、約款上1円も補償されません。
ストーブの中に灯油が残っていると運べません。前日までに空焚きするか、ポリタンクに移してください。使いかけのカセットボンベやスプレー缶もNGです。
トラックの荷台は高温・振動が激しく、生物は耐えられません。ペットは専用の輸送業者か、マイカー・公共交通機関で移動させてください。
冷蔵庫、ドラム式洗濯機、大型ソファなど。「入らない」と言われた時の選択肢は、吊り上げ作業をするか、その場で処分するかです。
| 方法 | 費用目安 | 条件 |
|---|---|---|
| 手吊り(人力) | 2万~3万円 | 窓の下に足場がある、屈強な作業員が2名以上いる |
| ユニック(クレーン) | 3万~5万円 | 窓の下にトラックを停めるスペースがある、電線が邪魔しない |
※ 吊り上げは危険を伴うため、当日の急な対応は断られることが多いです。後日、専門部隊を手配することになります。
新居に入らないなら、その場で処分(有料引き取り)してもらい、新しく買い換えるのも一つの手です。無理に吊り上げて数万円払うより、新品を買った方が安い場合もあります。
なぜ引越し屋はIKEA家具を嫌がるのか?それは「一度組み立てたら分解・再組立することを想定していない構造(木ネジ使用)」だからです。
「壊れても文句を言いません」という書類にサインをすれば、そのままの状態で(または分解して)運んでくれる場合があります。ただし、再組立は自分で行う条件になることが多いです。
見積もりが甘かったり、荷物が増えたりして載りきらない場合。「何を置いていくか」を瞬時に判断してください。
1. ダンボール(衣類・本): 後で宅配便(1箱1,500円~)で送れる。
2. 安価な家具(カラーボックス等): 送るより買い直した方が安い。
3. 自転車: 防犯登録を解除し、その場で処分するか、乗っていく。
逆に、冷蔵庫や洗濯機などの「大型家電」は絶対に載せてもらってください。後でこれだけ送ると、送料だけで数万円かかります。
積み残しや搬入不可で、旧居や外に荷物が残ってしまった場合のリカバリー策です。
ヤマト運輸や佐川急便を使います。160サイズ(3辺合計160cm)までなら2,000円~3,000円程度で送れます。
「らくらく家財宅急便」を利用します。冷蔵庫や洗濯機1点から配送してくれますが、繁忙期は予約が取れないこともあります。
近場の引越しで、ダンボールや小さな家具が残ったなら、軽トラックの「赤帽」を緊急手配するのが最安かつ最速です。
「吊り上げ作業」や「不用品処分」もまとめて頼みたい
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引越し業界歴23年。現場で「入らない!」という修羅場を数え切れないほど経験。吊り上げ作業の可否判断や、IKEA家具の分解ノウハウなど、物理的なトラブル解決を得意としている。