「お客様、この冷蔵庫は階段を通りません」「ドラム式洗濯機が蛇口に当たって置けません」
引越し当日にこう告げられたら、目の前が真っ暗になりますよね。しかし、諦めるのはまだ早いです。業界歴23年のプロが、現場で実践している「数センチの壁を突破する裏ワザ」と、どうしても無理な場合の「損をしない撤退戦(処分・買取)」について完全解説します。
💡 プロの結論:玄関が通っても油断禁物
「玄関は通る=設置できる」ではありません。
本当の敵は、廊下の「ドアノブ」と洗濯機置場の「蛇口」です。
「不動産屋の図面では通るはずだった」という失敗が後を絶ちません。必ずメジャーを持って実測してください。
最近の大型冷蔵庫(400L以上)は、幅60cm~70cmが主流ですが、廊下幅がギリギリのケースが多発しています。
廊下の幅はあっても、ドアノブの出っ張り(約5cm)や、カウンターキッチンの天板が邪魔をして通れないケースが多いです。
「冷蔵庫のドア」や「部屋のドア」を外せば通ることがあります。
多くの引越し業者で対応可能(有料:3,000円~)ですが、海外製冷蔵庫や特殊な蝶番の場合は断られることもあります。
戸建ての階段手すりは、ドライバーで外せることが多いです。これで+10cmの幅を確保できます。ただし、賃貸の場合は管理会社の許可が必要です。
ドラム式洗濯機は縦型よりも奥行きがあり、防水パン(置き台)に入らない、または蛇口に干渉するトラブルが絶えません。
洗濯機本体は置けても、蛇口の位置が低すぎて本体にぶつかり、給水ホースが繋げないパターンです。
無理に押し込むと、振動で蛇口が破損し、水漏れ事故(階下への賠償)に繋がります。
1. 「嵩上げ台(かさあげだい)」:洗濯機の下にブロックを敷いて高さを上げ、ホースの通り道を確保する。
2. 「壁ピタ水栓」:蛇口の位置を上にずらす特殊な水栓に交換する(要工事:約1.5万円)。
※ これらは当日、引越し業者の電気工事担当(オプション)に依頼できる場合があります。
階段やエレベーターを通らない場合、窓やベランダから吊り上げるしかありません。しかし、いつでもできるわけではありません。
| 方法 | 料金相場 | 必須条件 |
|---|---|---|
| ユニック車(クレーン) | 2万~4万円 | 窓の真下にトラックを停めるスペースがあること。 電線が邪魔していないこと。 |
| 手吊り(人力) | 1万~3万円 | 窓の下に足場があること。 作業員が最低3名以上いること(2階まで限定)。 |
※ 当日対応は難しく、後日作業(冷蔵庫なし生活)になる可能性が高いです。
無理に運ぶか、買い換えるか。その場で冷静な判断が必要です。
「吊り上げ料金3万円を払って、5年前の冷蔵庫を使う価値があるか?」
「3万円を頭金にして、新居に合う新品を買った方が、電気代も安く保証もつくのではないか?」
引越し業界歴23年。現場で「冷蔵庫が入らない」という悲劇を数え切れないほど目撃。搬入不可の際の代替案(吊り上げ、ドア外し、買取手配)の引き出しを多く持ち、パニックになる顧客を救ってきた。