引越しは人生の中で数少ない高額な契約です。
それなのに、多くの人が「よく分からないから」「最安だから」という理由で、契約書の中身を見ずにサインをし、当日の追加料金トラブルや荷物の積み残しで後悔しています。
💡 業界の結論:「安さ」はリスクの裏返しです
見積もり比較で本当に見るべきなのは、価格差ではなく
「当日の逃げ道をいかに塞いでいるか」という、書面の透明性です。
手元の見積書を数枚並べてください。一番安い見積もりに、以下のような記載はありませんか?
業界最大の罠です。「トラックに乗る分だけ運びます」という意味で、乗り切らなかった荷物は置いていかれます。
残された荷物は、自分で宅配便を手配するか(数万円の出費)、レンタカーを借りて往復する必要があります。
「状況により変動」という文言は、当日値上げのフリーパスです。「どんなに追加料金がかからないか(確定見積もり)」が明記されているか確認してください。
「3万円」と「5万円」の差は、トラックの大きさにあります。見積書に「2t」としか書いていない場合は危険です。
| 種類 | 積載量(目安) | 適正な間取り |
|---|---|---|
| 2t ショート | 約5畳分 | 単身(荷物少なめ) 1K~1DK |
| 2t ロング ※ここが分岐点 |
約7.5畳分 (ショートの1.5倍) |
単身(荷物多め) 2人暮らし(1LDK) |
| 3t / 4t | 約10~15畳分 | ファミリー 2LDK以上 |
※2人暮らし以上で「2tショート」の見積もりが出てきたら、ほぼ間違いなく積み切り(乗り切らない)前提です。
ダンボール50枚、ガムテープ、食器梱包紙(クレープ紙)、布団袋。これらを自分でホームセンターで揃えると、軽く5,000円~10,000円かかります。見積もり金額に含まれているか確認しましょう。
「3万円までしか補償しません」「引越しから1か月以上経過した場合は補償しません」といった独自ルールを設けている業者は避けてください。国土交通省の「標準引越運送約款」に基づく補償が基本中の基本です。
💡 「細かいチェックは面倒…」という方へ
自分で疑ってかかる必要はありません。
「追加料金なし・保険完備の優良業者」だけを一覧で見れば、失敗する確率はゼロになります。
見積もりに含まれていない場合、当日請求される可能性が高い「隠れコスト」です。
| 項目 | 相場(目安) | 注意点 |
|---|---|---|
| エアコン着脱 | 1.5万~2万円/台 | 基本料金のみで見積もられ、当日「ホース交換」で+5,000円取られるケースが多発。 |
| 洗濯機設置 | 3,000円~8,000円 | ドラム式は高額になりがち。水漏れ保証の有無を確認してください。 |
| 階段作業 | 2,000円~/階 | エレベーターなしの2階以上で発生。当日エレベーター点検で使えない場合も請求されます。 |
| 横持ち(横移動) | 2,000円~/10m | トラックが玄関前に停められず、手運び距離が長い場合に発生します。 |
| 待機料 | 3,000円~/30分 | 鍵の受け渡しトラブルなどで、入居できずに業者を待たせると発生します。 |
「安くして」と頼むのは三流です。比較材料を使って論理的に交渉しましょう。
契約の印鑑を押す前に、以下のチェックリストを埋めてください。
引越し業界歴23年。数万件の見積もりを審査し、現場の修羅場を解決してきた元部長。業者が見積書のどこに「逃げ道」を作るかを知り尽くしており、消費者が一方的に損をしないための比較基準を提唱している。