「新築だからピカピカで快適!」と浮かれていると、引越し当日に痛い目を見るかもしれません。
実は、新築マンションの引越し(一斉入居)は、人生で最もストレスフルな引越しになる可能性があります。数百世帯が同時に動くため、分刻みのスケジュールと厳しいルールに縛られるからです。
この記事では、新築特有の「一斉入居システム」の仕組み、指定業者(幹事会社)を使うメリット・デメリット、そして最も恐ろしい「共用部の傷トラブル」を回避するプロの技を伝授します。
💡 プロの結論:新築は「事前準備が9割」
幹事会社の言いなりになる必要はありませんが、
「一斉入居のルール」を知らない格安業者を使うと、当日出入り禁止になるリスクがあります。
新築マンション特有のシステムです。数百台のトラックが殺到してパニックになるのを防ぐため、デベロッパーが「幹事会社(通常は大手引越し業者)」を指定し、数ヶ月かけて搬入スケジュールを管理します。
「9:00~11:00」「11:00~13:00」のように、エレベーターの使用権が2時間刻みで割り振られます。
もし業者が渋滞で遅れて枠をはみ出すと、「次の枠の人の邪魔になるので作業中止」と言われ、荷物を部屋に入れられず持ち帰るという最悪の事態が発生します。
「指定業者(幹事)を使わなきゃダメ?」という質問が多いですが、強制ではありません。法的に業者の指定はできません。ただし、明確なメリット・デメリットがあります。
| 項目 | 幹事会社(指定業者) | 外部の格安業者 |
|---|---|---|
| 料金 | 高い(相場の1.2~1.5倍) | 安く抑えられる可能性大 |
| 当日の動き | 現場を仕切っているため融通が利く | 肩身が狭い・後回しにされるリスク |
| 養生(保護) | 共用部は一括で済んでいる | 自社で厳重にやる必要あり(手間増) |
| 責任 | 何かあっても管理会社と連携しやすい | トラブル時は全て自己責任 |
※ なぜ幹事会社は高いのか?
一斉入居の現場監督(エレベーター係や車両誘導員)の人件費や、エントランス全体の養生費を負担しているためです。また、デベロッパーへの紹介手数料(マージン)が含まれているケースも多々あります。
幹事会社の中には、「他社を使うとエレベーターを使わせない」「トラックを停める場所がない」などと嘘をついて囲い込みをしようとする営業マンがいます。
「独占禁止法に抵触する恐れがある発言ですが、デベロッパー公認の方針でしょうか?
御社の見積もりが他社より〇万円高いので、納得できる説明か、同額への値引きをお願いします。」
まず幹事会社に見積もりを取り、それを基準(高いはずです)にして、外部の優良業者に「幹事会社は〇〇円でした。新築一斉入居の経験はありますか?」と相見積もりを取るのが最強の戦略です。
新築は「傷ひとつない状態」が前提なので、少しの擦り傷でも犯人探しが始まります。「あなたの引越しの時に傷ついた」と言われないための自衛策です。
新築では、床だけでなく、壁、エレベーターの扉、天井付近まで、隙間なくプラスチックダンボール等で覆う必要があります。
格安業者は資材を節約しがちなので、見積もり時に「新築なのでフル養生でお願いします」と伝えないと、当日管理人に作業を止められます。
引越し業界歴23年。数多くの大規模マンション一斉入居プロジェクトを統括(幹事会社側)した経験を持つ。「外部業者いじめ」の実態や、逆に幹事会社を使うべきでないケースなど、業界の裏側を知り尽くした視点でアドバイスを送る。