タワーマンションや高層階への引越しは、眺望や利便性は最高ですが、引越し作業となると「追加料金の地雷原」です。
見積もりが甘かったために、当日になって「養生が足りない」「エレベーターが使えない」「時間が足りない」と言われ、数万円~十数万円を請求されるケースが後を絶ちません。
この記事では、タワマン引越し特有の「3大コスト」とその相場、そして業者と揉めないための鉄壁の事前対策をプロが解説します。
💡 プロの結論:「管理規約」が費用の全てを決める
業者のさじ加減ではありません。マンションのルール(規約)次第です。
見積もり前に「引越し作業細則」を入手し、業者に見せることが唯一の防衛策です。
なぜ高層階の引越しは高くなるのか?「高層階作業費」という名目の裏には、具体的な3つのコストが存在します。
タワマンの多くは、セキュリティや構造上の理由でエントランスにトラックを横付けできません。地下の搬入口や離れた駐車場から、台車を使って延々と荷物を運ぶ作業を「横持ち」と呼びます。
トラックからエレベーターまでの距離が20m~30mを超えると、作業員1名追加分の料金が発生する目安となります。
高層階のエレベーターはなかなか来ません。さらに、他の住民や宅配業者との兼ね合いで「1回乗るのに10分待ち」もザラです。
作業時間が延びれば、その拘束時間に対する人件費(延長料金)が請求されるリスクが高まります。
一般的なマンションなら「通る道だけ」の簡易養生で済みますが、高級マンションでは「エントランスからエレベーター、廊下の壁・天井まで全て」をプラスチックダンボール等で覆うよう管理人に指示されます。
資材費だけでなく、養生を貼る作業だけで1~2時間かかり、その人件費も加算されます。
「じゃあ結局いくらかかるの?」という疑問にお答えします。これらは基本料金に「プラス」される金額の目安です。
| 項目 | 追加料金の目安 |
|---|---|
| 横持ち(距離増) | 10,000円~20,000円 / 作業員1名 |
| 完全養生費(資材+手間) | 20,000円~50,000円 / 一式 |
| エレベーター待機料 | 3,000円~5,000円 / 30分 |
| 防災センター手続代行 | 3,000円~5,000円 / 回 |
物理的な距離や養生以外にも、タワマンには「見えない罠」があります。
高層階だからといって、何でもかんでも請求されていいわけではありません。
| 状況 | 支払い義務 | 理由 |
|---|---|---|
| タワマンであることを伝えていた | なし | 業者の見積もり甘さが原因です。 |
| 防災センターの手続きで待たされた | 原則なし | 入館手続きの時間は、プロなら想定内であるべきです。 |
| 当日、管理人に養生不足を指摘された | あり(実費) | 規約確認不足(施主責任)とみなされる場合があります。 |
不当な「高層階料金」を請求されたら、こう切り返してください。
「高層階であることは見積もり時にお伝えしました。
エレベーターの待ち時間も含めてのパック料金だと認識していますが、
見積書のどの項目に『待機料は別途』と記載されていますか?」
引越し業界歴23年。数多くのタワーマンション引越しを指揮。管理人の厳しいチェックや、迷路のような搬入経路によるトラブルを解決してきた経験から、「タワマン引越しは情報戦」と定義し、事前準備の重要性を説いている。