「えっ、ここ階段なんですか?2階以上は別料金になります」
引越し当日、荷物を積んだ後にこう言われたら…。「払わないと作業してくれない?」と不安になりますよね。しかし、その請求は不当な「後出しジャンケン」かもしれません。
💡 プロの結論:見積もりにない請求は「拒否」が正解
標準引越運送約款では、事前の見積書に記載のない追加料金は
原則として請求できないことになっています。
本来は見積もり時に確定すべきものです。当日揉める理由は主に3つです。
「階段の有無」を聞いていなかった、Googleストリートビュー等での現地確認を怠ったなど、完全な業者側のミスです。訪問見積もりをしていれば100%業者の責任です。
当日は断りづらい心理を突き、「言ってみて払ってくれたらラッキー」と考えている悪質なケースです。格安業者に見られます。
「エレベーターはあるが、冷蔵庫が入らなかった」「点検中で動かなかった」という場合。これは不可抗力として階段作業料(または吊り上げ料)が発生する正当な理由になり得ます。
もし正当な理由で支払う場合でも、法外な金額をふっかけられないよう「相場」を知っておきましょう。
| 階数・条件 | 料金目安(作業員1名あたり) |
|---|---|
| 2階への階段作業 | 1,000円~2,000円 / 回 |
| 3階への階段作業 | 2,000円~3,000円 / 回 |
| 4階以上(EVなし) | 3,000円~5,000円 / 回 |
| 家財単位の加算 | 2,000円~5,000円 / 1点 |
※業者により「1フロアごと」か「家財1点ごと」かの規定が異なります。
最近トラブルが急増しているのが「メゾネットタイプ(内階段)」の物件です。
玄関は1階にあっても、リビングやキッチンが2階にある場合、大型家電や家具を階段で上げることになります。
この「内階段」が狭かったり、曲がっていたりすると、通常の階段作業よりも高額なオプション料金(または吊り上げ作業)になることがあります。
見積もり時に「メゾネットであること」を伝えていないと、当日追加料金の対象になりやすいので注意してください。
以下の条件に当てはまる場合、支払いを拒否できます。
| 状況 | 支払い義務 | 理由 |
|---|---|---|
| 見積書に記載がない | なし | 契約に含まれていないため。 |
| 訪問見積もりだった | なし | 現地を見ていたはず。プロの責任です。 |
| 事前に伝えていた | なし | 情報提供済み。業者の見積もりミスです。 |
| 伝えていなかった | あり | ネット見積もり等で申告漏れがあった場合。 |
喧嘩腰になる必要はありません。冷静に、しかし毅然と伝えてください。
「見積書に階段料金の記載がありませんので、
当日の追加料金はお支払いできません。」
「事前に階段の件は伝えていますし、その条件で契約しています。
見積もり外の請求には応じられません。」
「契約した運送責任を果たしていただけない場合、債務不履行として損害賠償を請求します。
今すぐ本部と連絡を取り、御社の指示を仰いでください。」
引越し業界歴23年。現場で「階段だから金を出せ」と迫る悪質業者と何度も対峙。消費者が泣き寝入りしないための「約款の知識」と「現場での立ち振る舞い」を指導している。