「え、クレジット使えないんですか?」「今から現金なんて用意できない…」
引越し作業の終わり際、支払いの段になって突然「現金のみです」と言われるトラブルが急増しています。特に、見積もり段階では「カードOK」と言われていた場合は尚更パニックになるでしょう。
なぜ業者はカードを嫌がるのか?「払わないと荷物を下ろさない」と脅されたらどうする?業界歴23年のプロが、泣き寝入りせず、かつ法的に正しい知識で業者を黙らせる交渉術を伝授します。
💡 プロの結論:見積書の記載が「絶対」です
「カード不可」自体は違法ではありませんが、
「事前の約束(見積書)と違う」なら、それは契約違反です。戦えます。
まずは冷静に、手元の見積書または当時のメールを確認してください。あなたの現在の状況はどれに当てはまりますか?
| 状況 | 判定 | 対応 |
|---|---|---|
| 見積書に「カード可」と明記 | 現金拒否OK | 契約不履行です。本社へ連絡し、決済させましょう。 |
| 事前説明が一切なかった | 現金拒否OK | 説明義務違反の可能性大。支払い保留を主張できます。 |
| 当日追加分のみ現金要求 | 要交渉 | 端末不携帯等の理由。後日振込等を交渉可能。 |
| 見積書に「現金のみ」と明記 | 支払義務あり | 確認不足です。至急ATMへ走りましょう。 |
引越し業者が「カード使えません」と言う背景には、利用者には関係のない勝手な理由があります。これを知っておくと、交渉の強気さが変わります。
利益率の低い引越し業界では、売上の3?5%を持っていかれる決済手数料は大きな痛手です。「現金なら値引きできる」という誘い文句も、この手数料分を還元しているに過ぎません。
カード決済の場合、売上が業者の口座に入るのは翌月や翌々月です。中小零細業者は、日々のガソリン代や人件費を払うため、即座に手に入る「現金」を喉から手が出るほど欲しがります。
これが最も多い物理的な理由です。作業員はあくまで「運搬のプロ」であり、決済端末(CAT端末)を持たされていないケースが多々あります。
非常に悪質なケースですが、カード履歴を残さず現金でやり取りすることで、売上を一部除外し、脱税を図ろうとする業者も存在します。領収書の発行を渋る場合はこの可能性が高いです。
業者は様々な理由をつけて現金払いを迫ってきます。それぞれの言い訳に対する「正しい切り返し」を用意しました。
【切り返し】
「そうですか、それは大変ですね。では、カード番号の手入力(電話承認)で決済するか、本社からオンライン決済用のURLをメールで送ってください。現金は持ち合わせていません。」
※ 端末故障は業者の都合であり、客側が現金を用意する義務はありません。
【切り返し】
「では、電波が入る場所まで移動して決済しましょう。もしくは、私のスマホのテザリング(Wi-Fi)をお貸しします。」
【切り返し】
「それは加盟店規約違反ですよね? カード会社に通報しても良いですか? 消費者契約法でも、手数料の転嫁は不当条項とされています。」
VISA、Mastercard、JCBなどの主要ブランドは、加盟店規約で「現金払いと異なる価格設定」や「手数料の利用者負担」を固く禁じています。
作業員と揉めたら、感情的にならず、以下の手順で淡々と伝えてください。
「手元の見積書には『クレジットカード可』と記載されています。
御社の都合で今決済できないのであれば、後日振込にするか、今すぐオンライン決済のURLを送ってください。現金払いには応じられません。」
「あなたでは判断できないようなので、今すぐ配車係か責任者に電話を繋いでください。
『契約内容と違う支払いを強要されている』と伝えます。」
最も恐ろしいのが、「金を払うまでトラックから荷物を下ろさない」という脅しです。これは「留置権」の悪用ですが、今回のケースでは通用しません。
あなたは「支払う意思」があり、「正当な手段(カード)」を提示しています。
それを業者側の都合で拒否し、荷物を人質に取る行為は違法性が高いです。
もしこのように脅されたら、スマホを取り出し、以下の行動をとってください。
ほとんどの業者は、警察沙汰を嫌がって態度を軟化させます。
時間がない、子供が泣いている、などの理由でやむを得ず現金で払う場合もあるでしょう。その場合も、絶対に「泣き寝入り」してはいけません。後で取り返す、あるいは通報するための証拠を残します。
引越し業界歴23年。数万件の現場を見てきた中で、金銭トラブルの仲裁も多数経験。特に「言った言わない」の水掛け論になりやすい支払い問題について、消費者が絶対的に有利になる証拠の残し方を指導している。