「引越しは13時~15時の間でお願いします」「1分でも遅れたら作業できません」
数百世帯が短期間に入居する新築マンションでは、分刻みのスケジュール管理が行われています。
「少し遅れても大丈夫だろう」という甘い考えは禁物です。最悪の場合、トラックが敷地に入ることすら許されず、引越しが中止になることも…。
業界歴23年のプロが、幹事会社の支配構造、トラック待機所の罠、そして時間指定をクリアするための「鉄壁の準備」を伝授します。
💡 プロの結論:時間指定は「絶対ルール」です
幹事会社やデベロッパー主導のルールのため、融通は一切利きません。
守れないと「作業中断・トラック追い返し」になる可能性が高いです。
普通の引越しと同じ感覚でいると、入居当日に荷物を運び込めない事態になります。
10分の遅刻でも「次の枠の人がつかえている」「トラック待機所(パズル)が空かない」という物理的な理由で、搬入を断られるケースがあります。
リスク:作業拒否・再日程調整(後日)終了時間も厳守です。「時間が来たので今日はここまで」と、荷物を部屋に入れきれずに中断させられるリスクがあります。
リスク:荷物がエントランスに放置される外部業者は確かに肩身が狭いですが、意地悪というより「全体のスケジュールを守るためのルール」が厳格なだけです。ただし、幹事会社は自社の調整権限を持っているため有利なのは事実です。
「2時間あれば楽勝」と思っていませんか?実際は手続きや養生撤去の時間も含まれるため、荷物を運べる時間は1時間強しかありません。
| 時間経過 | 内容 |
|---|---|
| 0分~15分 | 受付・車両待機 管理人に挨拶し、許可証をもらい、指定の場所にトラックを停める時間。トラックの待機列ができていることも。 |
| 15分~30分 | 養生・準備 台車ルートの確保。自社養生が必要な場合さらに時間がかかります。 |
| 30分~100分 | 搬入作業(実質70分!) エレベーター待ちが発生すると、さらに短くなります。これが勝負の時間です。 |
| 100分~120分 | 撤収・退去 養生を剥がし、トラックを移動させ、次の業者に場所を譲る時間。 |
※この枠をはみ出すと強制終了になります。
「幹事会社(指定業者)は高いから…」と敬遠されがちですが、新築一斉入居においてのみ、幹事会社には圧倒的なアドバンテージがあります。
| 比較項目 | 幹事会社(指定業者) | 外部業者(サカイ・アート等) |
|---|---|---|
| 時間の融通 |
◎ 非常に有利 現場管理者が身内なので、エレベーターを優先的に使えたり、遅延時の調整が利きやすい。 |
△ 不利 決められた枠厳守。トラブル時の助け舟はなく、自己責任での対応を迫られる。 |
| 養生作業 |
◎ 不要(楽) 共用部の養生は幹事会社が既に施工済みのため、すぐに搬入を開始できる。 |
△ 必要(手間) 自社のルールで追加養生を求められる場合があり、その分搬入時間が削られる。 |
| 料金相場 |
△ 高め 競争原理が働かないため、強気の価格設定になりがち。交渉必須。 |
◎ 安い可能性 相見積もりで価格を抑えやすい。ただし「一斉入居」の経験値が必要。 |
この4ステップを守れば、トラブル率は激減します。
幹事会社以外(外部業者)を使う場合は、営業マンに「この客は事情を分かっている」と思わせることが重要です。
「新築一斉入居で、13時~15時の指定枠があります。
搬入ルートに高さ制限(2.3m)があるようなので、背の低いトラック(平ボディ車など)での配車をお願いできますか?
また、万が一時間が足りなくなった場合の人員追加は可能ですか?」
「今日は一斉入居で時間が厳しいので、梱包を解くのは後回しで、とにかく部屋の中に荷物を入れることを最優先でお願いします。
時間切れになりそうなら、エントランスに仮置きして自分たちで上げますので。」
引越し業界歴23年。数多くの新築一斉入居プロジェクトを指揮。トラックバースの回転率管理や、遅延した業者のリカバリー対応など、現場の裏側を知り尽くした視点で、入居者が損をしないための立ち回りを伝授する。