「追加料金を払うまで荷物は降ろせません」「全額入金が確認できるまでトラックに積んだまま保管します」
引越し業者からこんなことを言われたら、パニックになりますよね。しかし、その要求は法的に正当とは限りません。悪質な業者は、引越し当日の「断れない状況」を利用して、荷物を人質に取ろうとします。
この記事では、業界歴23年のプロが、業者を論破し、荷物を取り戻すための「法的対抗策」と「警察を動かすキーワード」を伝授します。
💡 プロの結論:その「留置権」、無効かもしれません
業者の権利は絶対ではありません。
不当な追加請求分まで人質に取ることは「権利の濫用」にあたる可能性があります。
業者の主張には、一応の法的根拠があります。しかし、それは「無敵」ではありません。彼らが盾にしている法律を知っておきましょう。
運送業者は、運送賃(料金)を受け取るまで、運んだ荷物を留め置く権利(商法第562条)を持っています。
【重要】ただし、これは「正当な契約に基づく債権」がある場合です。
見積もりにない不当な追加料金や、あなたが同意していない請求についてまで、生活に必要な荷物全部を人質に取ることは認められない可能性が高いです。
感情的にならず、以下の手順で「外堀」を埋めてください。相手がプロでも、法律と手順には勝てません。
「契約した金額は〇〇円です。それ以外の請求には同意していません」と、本来の契約内容を突きつけます。スマホで見積もりメールを表示させましょう。
ここが勝負の分かれ目です。「当初の見積もり額(基本料金)」だけを先に支払い、「追加分は保留して協議する」と提案します。
※基本料金すら払わないと、業者の留置権が完全に成立してしまい、あなたが不利になります。
「基本料金は払ったのに、追加料金を理由に荷物を返さない」という事実を録音してください。「これは脅迫ですか?」と聞くのも効果的です。
「基本料金は払う意思がある(または払った)のに、不当な追加料金を理由に荷物を返してもらえない」と相談します。
業者が居座ったり、脅し文句を言ったりした場合は迷わず通報です。(後述)
相手の「払わないなら帰るぞ」という脅しに屈しないためのフレーズです。
「契約通りの基本料金(見積額)はお支払いしますので、荷物を引き渡してください。
追加請求分については根拠が不明確なため、ここでは支払いを保留し、後日御社の責任者と正式に協議させてください。」
「基本料金の支払い意思を示しているにも関わらず荷物を返還しない場合、
それは『留置権』の範囲を超えた『業務妨害』や『強要罪』にあたる可能性がありますので、このまま警察に通報します。」
警察は「料金トラブル(民事)」には介入しません。しかし、「刑事事件」の可能性があれば動きます。通報する際は以下のキーワードを使ってください。
引越し業界歴23年。数万件の現場を見てきた中で、金銭トラブルの仲裁も多数経験。特に「荷物の留置」という究極のトラブルに対し、消費者が泣き寝入りしないための法的知識と交渉術を指導している。