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引越しをして住所が変わると、「役所での転出・転入届はわかるけど、税金の手続きはどうすればいいの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
実際には、引越しのタイミングや働き方によって、住民税や所得税の取り扱いが変わる場合があります。特に「住民税の納付先が決まるタイミング」や、見落としがちな「ふるさと納税の住所変更」については、仕組みを知らないと後から通知が届かなくなったり、控除が受けられなくなったりするトラブルにつながります。
この記事では、引越し時に知っておくべき税金の基本ルールから、会社員・個人事業主それぞれの手続き、注意すべき税金トラブルまでをプロの視点でわかりやすく解説します。
引越しの際に関係してくる税金は、主に次の3種類です。賃貸に住む会社員であれば、特に意識すべきは「住民税」のみとなります。
| 税金の種類 | 内容と引越し時の影響 |
|---|---|
| 住民税 | 前年の所得をもとに、自分が住んでいる自治体(市区町村・都道府県)へ納める税金。引越しで最も影響を受ける税金です。 |
| 所得税 | 個人の所得に対して国へ納める税金。全国一律のため、どこへ引越しても金額は変わりません。 |
| 固定資産税 | 家や土地などの不動産を所有している場合に課税されます。マイホームの購入や売却を伴う引越しの場合に関係します。 |
引越しで一番混乱しやすいのが住民税の納付先です。住民税には以下の鉄則があります。
住民税は、その年の「1月1日時点」で住民票がある自治体に対して、1年分(6月~翌年5月分)をまとめて納付します。
つまり、年の途中でどこへ引っ越そうとも、その年の住民税は「旧住所の自治体」へ納め続けることになります。分割して新しい自治体に納めるわけではありません。
「税金が安い地域に引越したい」と考える方もいますが、住民税の税率(所得割10%)は全国一律で同じです。
ただし、自治体によっては環境保護などの名目で「均等割」という基本料金部分に数百円~千円程度の上乗せ(超過課税)をしている場合があります。とはいえ、年間で数千円変わることは稀ですので、引越しによる住民税の増減はほぼ気にしなくて大丈夫です。
住民税の支払い方法と、引越し時に必要な手続きは「会社員」と「個人事業主」で異なります。
会社員は、住民税が毎月の給与から天引きされて会社が代わりに納付します(特別徴収)。
個人事業主やフリーランス、または副業分の住民税を自分で納めている場合は、役所から自宅に届く納付書を使って支払います(普通徴収)。通常は年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて支払います。
引越し時の税金関係で、最もミスが起きやすいのがこの2つです。
ふるさと納税をして「ワンストップ特例制度」を利用している人が、寄付をした同じ年のうちに引越しをした場合、寄付先のすべての自治体に対して「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」を提出する必要があります。
期限(翌年1月10日)までに提出しないと、旧住所で処理されてしまい、税金の控除が受けられなくなるため絶対に忘れないでください。(※確定申告でふるさと納税を申請する人は、この変更届は不要です)
以前は、個人事業主が引越した場合、税務署に対して「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出する必要がありました。
しかし、令和5年(2023年)1月1日以降、この届出書の提出は原則「不要」となりました。確定申告書に新しい住所を記載して提出するだけで手続きが完了します。
住宅を購入して引っ越す場合は、固定資産税が関係します。
固定資産税も住民税と同じく「毎年1月1日時点の所有者」に1年分の納税義務が発生します。
年の途中で中古住宅を購入したり売却したりした場合、役所での税金分割はできません。そのため、物件の引き渡し日を基準にして、売主と買主の間で「固定資産税を日割り計算して精算する」のが不動産取引の一般的なルールとなっています。
役所での住民票の異動(転入届)が遅れると、普通徴収の納税通知書が旧住所へ送られてしまい、滞納扱いになる恐れがあります。引越し後は必ず郵便局の「転居るん(転送サービス)」を申し込み、14日以内に役所で手続きを済ませましょう。
引越した翌年の6月頃、旧住所の自治体から納付書が届いて「もう引越したのに!」と驚くことがあります。しかし、これは前年の1月1日時点の住所に対して課税されている正しい請求です。二重払いではありません。
引越しと税金の関係は、難しそうに見えて実はシンプルです。
「住民票の異動手続き(転出・転入)を期限内に行うこと」と、「会社員なら会社へ住所変更を出すこと」。この2つさえ忘れなければ、税金関係の住所変更も連動して処理されるため、大きなトラブルになることはありません。
ただし、ふるさと納税のワンストップ特例を利用している方だけは、個別の変更手続きが必要になる点に十分注意してください。
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引越し業界歴23年。現場班長から営業、配車、部長まで経験。延べ1万件以上の引越し見積もりに関わり、業界の「裏」も「表」も知り尽くしたプロ。現在は「損をしない引越し」を広めるため、WEBメディアで情報を発信中。