「普通の引越し業者に頼んで大丈夫?」「音が狂ったりしないか心配…」
ピアノは家具ではありません。数百kgの重量を持つ「超・精密機器」です。安易に運ぶと、音質の劣化や床の破損など、取り返しのつかないトラブルを招きます。
業界歴23年のプロが、ピアノ運送費用のリアルな相場、専門業者に依頼すべき理由、そして新居で美しい音色を保つための調律・環境設定について徹底解説します。
💡 結論:餅は餅屋、ピアノは専門家へ
通常の引越しスタッフではなく、ピアノ運送の特殊技術を持ったスタッフに任せるべきです。
引越し業者に依頼する場合も、「ピアノ専門の提携業者」が来るか必ず確認してください。
運送費用は「ピアノの種類」「移動距離」「階数(作業難易度)」で決まります。
| 項目 | アップライト | グランドピアノ |
|---|---|---|
| 基本運送費(近距離) | 1.5万 ~ 2.5万円 | 3.0万 ~ 5.0万円 |
| クレーン吊り上げ | +1.0万 ~ 2.0万円 | +2.0万 ~ 3.0万円 |
| 階段作業(1階ごと) | +5,000円 ~ | +10,000円 ~ |
引越しと同時に依頼するか、別々に依頼するかで迷う方は多いです。それぞれの特徴を比較しました。
| 比較項目 | 引越し業者(一括) | ピアノ専門運送業者 |
|---|---|---|
| 手間 |
◎ 楽 窓口が一つで済み、スケジュール調整も不要。 |
△ 手間 別途見積もりと日程調整が必要。 |
| 品質 |
○ 安心(提携) 大手は提携の専門業者が来るため品質は高い。 |
◎ 最高品質 自社スタッフによる熟練の技術。 |
| 費用 |
◎ 安い可能性 「セット割引」が適用されることが多い。 |
△ 高め 単独輸送になるため割高になりがち。 |
結論: 引越しと同時なら「引越し業者経由(提携専門業者)」がコスパ最強です。ピアノ単体の移動や、非常に高価なピアノの場合は「専門業者直」がおすすめです。
ピアノは分解して運ぶことができません。2階以上に設置する場合、階段を通れないことがほとんどです。
トラックを建物の真横に付けられるか? 窓のサッシは外せるか? 電線や街路樹が邪魔していないか? 事前の現地調査(見積もり)が必須です。
クレーン車が入れない狭い道の場合、熟練の作業員がロープを使って人力で引き上げます。高度な技術が必要なため、対応できる業者は限られます。
🎶 大切なピアノを傷つけたくない方へ
1社だけの見積もりでは、その業者の技術レベルは分かりません。
「ピアノ輸送の実績が豊富な優良業者」を比較し、大切な一台を任せられるパートナーを見つけてください。
調律は必須です。ピアノは環境(温度・湿度)の変化や、運送時の振動で必ず音が狂います。
「電子ピアノなら自分で運べる?」と考える方も多いですが、以下の点に注意が必要です。
新居に入らない、もう弾いていない…という場合は、運ぶよりも売却がお得なケースがあります。
「ヤマハ」「カワイ」などの有名メーカー製であれば、数十年経過していても高値で売れる可能性があります。引越し業者によっては、「買取査定」と「引越し見積もり」を同時に行ってくれるところもあります。
粗大ごみとして出せる自治体は少なく、基本的には専門業者による回収(有料:1万~3万円程度)となります。不法投棄業者はトラブルの元なので、必ず許可業者に依頼しましょう。
新居のドア幅、廊下の曲がり角(クランク)、エレベーターの奥行きを測りましたか? ギリギリの場合はプロに相談を。
ピアノの重量(200kg以上)から床を守るため、新居用に「敷板」や「インシュレーター(受け皿)」を準備しましょう。マンションなら防音効果のあるタイプが必須です。
万が一、運搬中に傷がついた場合の補償額を確認しましたか?(通常、上限があります。高額なピアノは別途保険が必要な場合があります)
引越し業界歴23年。数多くのピアノ運送現場を指揮。過去にクレーン作業でのヒヤリハットを経験し、現在は「いかに安全に、傷一つつけずに運ぶか」という技術選定の重要性を説いている。