「作業中、ずっと突っ立っているのは気まずい」「不動産屋に鍵を返しに行かなきゃいけない」
引越し作業は数時間かかります。その間、ずっと監視している必要はありませんが、「魔の30分」を作ってしまうと取り返しのつかないトラブルに発展します。
「トイレに行きたい」「お腹がすいた」「手続きに行きたい」。
そんな時、どのタイミングなら抜けても大丈夫なのか?逆に絶対にいてはいけない瞬間はいつなのか?
業界歴23年のプロが、不在時の盗難・配置ミスリスクと、作業員に信頼される正しい留守の任せ方を完全解説します。
💡 プロの結論:基本は「在宅」が鉄則
ただし、要所を押さえれば外出も可能です。
特に「新居への搬入時」の不在は、後の生活に支障をきたします。
「誰も見ていない」という状況は、作業員の心に隙を生みます。また、悪意がなくても単純なコミニュケーションエラーによるミスは防げません。
「これはどの部屋?」と迷った時、聞く相手がいないと作業員は適当な空きスペースに置きます。後で重い冷蔵庫やタンスを自分で移動させるのは地獄です。「後で直して」は有料サービス(家具移動)になることがほとんどです。
作業後に「財布がない」と気づいても、あなたが席を外していた時間があれば「どこかに置き忘れたのでは?」「我々が見ていない時間に誰かが入ったのでは?」と言い逃れされます。立証が不可能です。
監視の目がないと、養生を省略したり、荷物を少し乱暴に扱ったりするスタッフも残念ながら存在します。また、休憩タバコの時間が増えて全体の終了時間が押すこともあります。
引越し作業は大きく「旧居からの搬出」と「新居への搬入」に分かれます。実は、この2つで立ち会いの重要度は天と地ほど違います。
旧居での作業は「全ての荷物を空っぽにする」ことがゴールです。
「これは持っていく?捨てる?」という判断が必要なゴミなどが残っていなければ、作業員はひたすらトラックに積むだけです。
したがって、貴重品さえ管理していれば、コンビニやトイレ程度の中抜けは比較的安全です。
問題はこちらです。新居では「どの荷物を、どの部屋の、どの向きに置くか」という判断が数秒ごとに発生します。
これらに即答できないと、荷物はすべて「とりあえずリビング」に積み上げられます。
引越し後の片付け地獄を回避したければ、搬入時はトイレ以外で席を外してはいけません。
生理現象や、どうしても外せない手続き(不動産屋への鍵返却やガスの立会いなど)がある場合は、黙って行かずに必ず以下の手順を踏んでください。
「不動産屋への鍵返却で、30分ほど席を外します。
その間の指示書(配置図)を玄関に貼っておきますので、これに従ってください。
迷ったら作業を止めて、私の携帯へ連絡をお願いします。」
ワンオペでの引越しや、急な仕事の電話などで現場を離れざるを得ない場合、「喋らなくても伝わる準備」をしておくと失敗が減ります。
新居の各部屋のドアに、大きく紙を貼ります。
そして、ダンボールの見えやすい位置に大きくマジックで「1」「2」と書いておきます。これなら、あなたが不在でも作業員は数字合わせをするだけで正しい部屋に運べます。
特に大型家具(ベッド、冷蔵庫、棚)は一度置くと動かせません。
部屋の入り口に、手書きでいいので「上から見た図」を描いてマスキングテープで貼っておきましょう。
「ベッドの頭はこっち向き」「壁から10cm離す」などのメモも有効です。
仕事などで本人が立ち会えない場合、家族や友人に頼むことも可能です。ただし条件があります。
| 代理人に適した人 | 避けるべき人 |
|---|---|
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親・兄弟・配偶者 あなたの荷物の価値観を共有しており、遠慮なく指示が出せる関係性。 |
職場の後輩・あまり親しくない友人 作業員に対して強く言えず、遠慮して「とりあえずここでいいです」と言ってしまいがち。 |
代理人には「配置の決定権」と「完了確認のサイン権」を持たせてください。
最大のリスクは、後で本人が帰宅して「配置が違うからやり直して」と言うパターンです。
これは基本的に追加料金(家具移動サービス)になります。
引越し約款では「代理人の指示=本人の指示」とみなされます。「任せた以上は文句を言わない」覚悟が必要です。
「監視されている」と感じると、作業員は萎縮したり、逆に不快に思ったりします。お互いにストレスのない最適なポジションはここです。
※ NGなのは「寝る」「ヘッドホンで大音量の音楽を聴く」「風呂場にこもる」など、緊急時の呼びかけに反応できない状態です。
引越し業界歴23年。現場リーダーとして数千件を指揮。お客様が不在の間に起きた「言った言わない」のトラブルを多数経験。お互いのために「立ち会い」がいかに重要かを説き、スムーズな現場運営のノウハウを発信している。